読み方と凡例
医療機関向けの注意喚起は「OSとブラウザを更新して確認サイトで確かめ、業務システムは保守事業者に確認する」までを扱いました。本資料はその先、保守事業者とIT担当者が自分の管理範囲で何を更新し、何を確かめるかを扱います。問題の中間CA証明書は、emSign ECC Root CA - G3配下の8本と、SectigoのAAA Certificate Servicesによるクロス署名8本の計16本です。[1]
| 表示 | 意味 |
|---|---|
| 修正あり | 一次資料(公式のリリースノート・勧告・公式文書)で、修正版の版と日付、または遮断の実施を確認した。 |
| 声明あり | 公式の案内はあるが、修正版の形ではない(調査中・手動対処の手順・自社製品は影響なしの説明など)。 |
| 影響なし(公式) | ベンダー自身が公式に「影響なし」と説明している。 |
| 一部 | 公式の更新はあるが、本件への対処かどうかを明言していない。 |
| 見当たらず | 2026年10月24日に当社が確認した範囲(公式のセキュリティ情報・リリースノート・サイト内検索)で、本件への言及が見当たらなかった。「影響なし」の意味ではありません。 |
X(旧Twitter)・生成AIの出力・まとめ記事は証拠にしていません。日付は各一次資料の記載によります。本資料は時点固定の記録で、公開後に追加で分かったことは末尾に日付を付けて追記します。実機での攻撃の再現や第三者システムへの検証は行っていません。
サマリー
修正が出揃っているもの
OS(Windowsは10月20日、Appleは10月22日、Androidは10月19日)とブラウザ(Chrome・Firefoxは10月17日)、Java(Oracle・OpenJDKは10月21日)、Node.js・Python/pip・Go・Rust・curl・NSS・Perlなど主要な言語ランタイムとCAバンドル、Electron(10/20)、Thunderbird・Firefox ESR(10/20)。確認サイトの「Who has patched?」の一覧は、当社が照合した範囲ですべて一次資料と一致しました。[1]
公式の案内が無いもの
Microsoft Edge(Windows 10で10月20日時点で未遮断と報じられた件を含め、Microsoftの公式言及なし)、Zoom・Teams・Slack・Chatwork・LINE WORKS・LINEなどのデスクトップアプリ(修正版Electronの取り込みを明記しているのはObsidianのみ)、国内のルータ各社・複合機8社・NAS 2社・セキュリティソフト各社、国内の公的機関14件と電子カルテ・レセコン等12社。
ベンダーの公式案内があるネットワーク機器
Cisco(10/23、Secure Client〔旧AnyConnect〕とMeraki vMXは調査中、Meraki Dashboard・ASA・FTDは影響あり、未掲載製品は影響なし)、Fortinet(FortiGuardへの接続は専用CA一覧で影響なし。SSL検査の信頼CAは別途手動対処)、Sophos(Firewallの更新を予定、当面は手動削除。コミュニティでの表明)。[9][10]
残っている論点
OS更新では直らない層(Node.js・Bun・Deno・Electron・pip・Git for Windowsなど同梱バンドルを持つもの)、UTMのHTTPS検査、Windows 7と閉域端末、Macでオンライン請求を使う医療機関のJava、各アプリが修正版Electronを取り込んだかどうか。10月27日(PDT)にはChromeがemSign ECC Root CA - G3をルートストアから削除します。[3]
言語ランタイムとCAバンドル
確認サイトの「Who has patched?」に載る修正版を、各プロジェクトの一次資料で照合しました。重要なのは「Windows/macOSでOSの検証機構まで使うか、OSのストアから証明書を読み込むだけか、同梱のバンドルを使うか」です。OSの検証機構を使うものはOSの更新で足り、同梱のバンドルを使うものはランタイム自体の更新が要ります。OSのストアから証明書を読み込むだけのものは、OS側の不信頼設定が検証に反映されるとは限らないので、実際の経路で確かめます。[1]
| 項目 | 判定 | 修正版・日付 | 修正の方式 | Windows/macOSでOSのストア・検証機構を使うか | 一次資料 |
|---|---|---|---|---|---|
| Java(Oracle JDK・OpenJDK) | 修正あり | Oracle 8u511 b32/11.0.33.0.2/17.0.21.0.2/21.0.13.0.2/25.0.5.0.2/27.0.1.0.2(10/21)。OpenJDK勧告 10/21 | 中間CA 8本+クロス署名8本を遮断リスト(blocked.certs/8は blacklisted.certs)に追加。Oracleは10/23更新の専用ページで、修正版に更新済みでもJVM再起動前にルート2本(emSign ECC Root CA - G3、AAA Certificate Services)の削除か失効確認の有効化を行い、複数の単体Javaがあればそれぞれに行うよう案内。確認用に CheckCerts.java を提供 | Oracle JDKは使わない(同梱の cacerts)。OS同梱のOpenJDK(Debian・Ubuntu・RHEL等)はOSの証明書を使うが、UbuntuはJava側ストアの同期が別の不具合で止まっており、ca-certificates更新後に sudo rm -f /etc/ssl/certs/java/cacerts と sudo update-ca-certificates --fresh の手動操作が必要(Ubuntu公式) | Oracle Security Alert/OpenJDK Advisory/ops.java(10/23更新)/Ubuntu |
| Node.js | 修正あり | 26.12.1/24.22.1/22.23.4(10/21) | 同梱ルート証明書をNSS 3.131.1に更新 | 使わない(既定は同梱のMozillaバンドル。--use-system-ca で追加) | Node.js security releases/CLI doc |
| Python 本体 | 修正あり | 3.15.1/3.14.9/3.13.17 | 同梱pipを26.2.2(certifi 2026.10.19)に更新 | 標準の ssl はWindowsのCA・ROOTストアから証明書を読み込むが、検証はOpenSSLが行い、既定ではCRLを確認しない。OS側の不信頼設定が同じように反映されるとは限らないので、実際のPythonのTLS経路で遮断を確認する。requests は certifi、pip は certifi+システム併用 | Python Insider/Python 公式告知 |
| certifi(Python) | 修正あり | 2026.10.19(10/20) | ルート削除(GHSA-6q48-6c7w-9gw2) | 該当なし(OS非依存のバンドル) | GHSA |
| pip | 修正あり | 26.2.2(10/20) | 同梱certifiを更新 | 既定でcertifiに加えてシステム証明書を使う。OSストアの更新だけでは同梱側の信頼が残る | pip news/HTTPS certificates |
| Go | 修正あり | 1.27.3/1.26.10(10/19、CVE-2026-111943) | 中間CA 8本のSPKI遮断(OS検証の経路にも重ねる) | 使う(macOS・WindowsはOSの検証APIで検証。1.27.3/1.26.10は遮断リストも重ねる) | golang-announce/crypto/x509 |
| curl CAバンドル | 修正あり | 2026-10-20 | Mozillaストアからの抽出 | ビルド依存。SchannelビルドはWindowsのストア、それ以外はファイル | caextract/sslcerts |
| NSS(Mozilla) | 修正あり | 3.131.1(10/20) | ルート削除(emSign Root CA - C1・emSign ECC Root CA - C3・emSign ECC Root CA - G3) | 該当なし | dev-tech-crypto |
| Perl Mozilla::CA | 修正あり | 20261020 | emSign ECC Root CA - G3 を除外 | 該当なし | metacpan |
| Rust webpki-roots/rustls-webpki | 修正あり | 1.0.10(10/19)/0.103.16(10/20) | ルート削除/SPKI遮断 | 該当なし | webpki-roots/rustls-webpki |
| Composer ca-bundle(PHP) | 修正あり | 1.6.0(10/20) | 中間CAの遮断+cacert.pem更新 | 該当なし | release |
| Ruby excon | 修正あり | 1.8.0(10/21) | 同梱証明書を更新 | 該当なし | changelog |
| Erlang certifi/Elixir castore | 修正あり | 2.18.0(10/23)/1.0.22(10/20) | ルート削除 | 該当なし | certifi/castore |
| Bun | 修正あり | 1.4.4(10/22) | ルート証明書をNSS 3.131.1に更新 | 使わない(既定) | Bun blog |
| Deno | 修正あり | 2.9.8(10/21) | rustls-webpki 0.103.16+webpki-roots 1.0.10に更新 | 使わない(既定は mozilla) | release |
| Electron | 修正あり | 44.9.1/43.8.1/42.11.16/45.0.0-beta.6(44.9.1は10/20。勧告は10/22) | ChromiumのネットワークとNode.jsのtls/https/fetchの両方に遮断。アプリ側の回避策なし | 記述なし | GHSA-jr5w-w6x2-84p9 |
| Git for Windows | 修正あり | 2.56.0(3)(10/22) | 同梱CAの更新(本件対処のセキュリティ修正と明記) | 使わない(同梱) | release |
| conda/Anaconda/Miniconda | 修正あり | certifi ≥2026.10.19 と ca-certificates の更新(10/21) | 同梱バンドルの更新。pipは別途更新が要ると明記 | 使わない(同梱) | conda blog |
| .NET | 見当たらず ランタイムの公式見解なし。コンテナ画像のみ対応表明(10/22) | — | Linuxのコンテナ画像はディストリのca-certificates更新 | WindowsはWindows証明書ストアとその検証機構、LinuxはOpenSSLのバンドル、macOSはSecTrust(公式文書) | cross-platform cryptography/dotnet-docker #7428 |
Java(Oracle JDKは同梱のcacerts。修正版への更新後もOracleはルート2本の削除か失効確認の有効化と再起動を求める。OS同梱のOpenJDKでもUbuntuは同期の手動操作が要る)、Node.js・Bun・Deno(Windows/macOSでも既定は同梱のMozillaバンドル)、Electron製アプリ(アプリ側の回避策なし。修正版Electronを取り込んだアプリの更新が唯一の手段)、pip(既定でcertifiに加えてシステム証明書を使う設計のため、OSを更新しても同梱側の信頼が残る。Python公式告知は「すべての既存の仮想環境でpipを更新」)、Git for Windows、conda。[8][15][16][17]
Go(macOS・WindowsはOSの検証API。1.27.3/1.26.10はさらに遮断リストを重ねた)、.NET(WindowsはWindowsの証明書ストアと検証機構)。curlはビルドにより異なります。「OSのストアから証明書を読み込む」ことと「OSの検証機構を使う」ことは別です。Python標準の ssl はWindowsのCA・ROOTストアから証明書を読み込みますが、検証はOpenSSLが行い、既定ではCRLを確認しません。OS側の不信頼設定が同じように反映されるとは限らないため、実際のPythonのTLS経路で遮断を確認してください。[18][19]
Mozillaの指針(dev-security-policy、10/20): 失効確認をして接続を閉じられないクライアントは、「中間CAの遮断」か「署名元ルートの削除」のどちらかを取る。[13] 医療機関特有の業務ソフトが同梱するランタイムについての一次資料は、当社が確認した範囲では見当たりません。
デスクトップアプリとブラウザ
診療所のパソコンに入っていることが多いアプリについて、OSの証明書ストアを使わず独自に検証するもの(独自の信頼ストア、または同梱のChromium/Electron)の公式声明と修正版を照合しました。確認サイトの接続統計には、10月23日時点でEdge on Windows・Samsung Internet・アプリ内ブラウザ(Android・iOS・LINE)からの接続、つまりまだ問題の証明書を信じているクライアントが多数記録されています。[2]
| 対象 | 信頼ストアの種類 | 判定 | やること(実行主体) | 一次資料 |
|---|---|---|---|---|
| Microsoft Edge(Windows・macOS) | 独自(Edge 112以降はブラウザ同梱のCTLと検証器。失効リストはMicrosoftの配信基盤からコンポーネント更新) | 見当たらず Edge 155.0.4283.62(10/16)・156.0.4314.42(10/22)のリリースノート、Edgeセキュリティ更新一覧、Windows message center、MSRC、Trusted Root Programの release notes に言及なし。Ars Technica 10/20 19:47 UTC: Windows 10のEdgeは12の検査ホストに接続可、Microsoftはコメントなし | Edgeを最新版に更新し、edge://components と確認サイトで確かめる(医療機関) | cert verification/endpoints |
| Edge WebView2(新しいTeamsなどが利用) | 公式記述なし | 見当たらず | WebView2 RuntimeをWindows Updateで最新に(医療機関) | WebView2 security |
| Zoom(デスクトップ) | 公式記述なし | 見当たらず Security Bulletin 最新 ZSB-26022(10/13)は無関係。release notes 最新 9/24 | 最新版へ(医療機関) | Security Bulletin |
| Microsoft Teams(デスクトップ) | 同梱Chromium系(WebView2最新を要件) | 見当たらず | 自動更新。WebView2 Runtimeの更新(医療機関) | system requirements |
| Cisco Webex | 製品ごと | 声明あり Cisco情報勧告(10/23): Webex Calling・Webex Contact Center・Webex Meetings Server・Jabber for Windowsは調査中。Webex Appは掲載なし(Ciscoは未掲載製品を影響なしと明記) | 勧告の更新を追う(提供元Cisco) | Cisco advisory |
| Google Meet(ブラウザ) | ブラウザ依存(ChromeはCRLSet) | 修正あり 10/17 19:45 UTC | ブラウザ更新のみ(医療機関) | Google blog |
| Slack | 同梱Electron | 一部 Windows 4.52.182(10/20)「significant security improvements. Updating is strongly recommended」。eMudhra・Electron版の言及なし | 4.52.182以降へ更新(医療機関。配布管理版は組織のIT) | release notes |
| Chatwork(デスクトップ) | 同梱Electron(公式記述未確認) | 見当たらず 公式リリースノートページが見当たらない | 最新版へ(医療機関) | — |
| Discord | 同梱Electron | 見当たらず | 自動更新を確認(医療機関) | — |
| Notion(デスクトップ) | 同梱Electron | 見当たらず releases(10/19・10/13)にデスクトップ・Electronの言及なし | 最新版へ(医療機関) | releases |
| LINE WORKS(PC版) | 公式記述なし | 見当たらず 10/15・10/19のアップデート詳細に証明書の言及なし | 最新版へ(医療機関) | アップデート詳細 |
| Obsidian | 同梱Electron | 修正あり 1.14.5(10/22)でElectron 43.7.5→43.8.3(修正版43.8.1以上)。「includes several important security fixes」 | 公式サイトから再インストール(医療機関) | changelog |
| LINE(Windows・Macデスクトップ) | 公式記述なし | 見当たらず | 最新版へ(医療機関) | — |
| Brave/Vivaldi | 同梱Chromium。CRLSetを受け取る機構の公式記述あり(BraveはCRLSet要求をプロキシ経由、VivaldiはCRLsetコンポーネントを自動更新) | 見当たらず 本件への個別声明なし | 更新のみ(医療機関) | Brave wiki/Vivaldi blog |
| Opera/Arc | 同梱Chromium | 見当たらず | 更新(医療機関) | — |
| Thunderbird | 独自(NSS)+OneCRL | 修正あり MFSA 2026-114(158.0.1)・2026-115(153.5.1esr)10/20。OneCRLは10/17に配信済み。同梱リストの更新はRemoteSettings無効環境向け | 標準設定なら自動。更新で確実化(医療機関) | MFSA 2026-114 |
| Firefox ESR | 独自(NSS)+OneCRL | 修正あり MFSA 2026-112(153.5.1)・2026-113(115.43.1)10/20。標準設定の全Firefoxへは10/17 22:59 UTCにOneCRL配信完了 | 同上 | MFSA 2026-112/Mozilla blog |
| Dropbox/Google Drive for desktop/OneDrive/Box Drive/TeamViewer/AnyDesk/Splashtop/Chrome リモートデスクトップ | — | 見当たらず 公式声明なし。確認サイトの修正済み一覧にも掲載なし | — | — |
Microsoftの公開声明・リリースノートでの本件への言及は、10月24日時点で見つかりませんでした。Edge 112以降はブラウザ自身がMicrosoft Trusted Root ProgramのCTLと検証器を同梱し、失効リストはMicrosoftの配信基盤からコンポーネント更新として受け取ります(GoogleのCRLSetと同一かは公式文書に記述がありません)。Windowsの「信頼しない証明書の一覧」の配信ファイル(disallowedcert.sst、10月20日 18:02 UTC)には、中間CA 8本とSectigoによるクロス署名8本の計16本が収録されていることを、当社がopensslで確認しました。[11]
Microsoftの文書では、Windows 8/8.1とServer 2012/2012 R2は「信頼しない証明書」の日次の自動更新を内蔵し、Windows 7・Server 2008/2008 R2は更新プログラムKB2677070を入れた場合に働きます。切断環境には届きません。サポート終了後のOSに現在も配信が届くかどうかを述べた公式記述は見当たりません。配信URLはOSの版に依存しない静的ファイルです。グループポリシーで自動ルート更新を止めている端末には届きません。確認は管理者権限で certutil -verifyctl Disallowed | findstr /i lastsynctime。[11][12]
ネットワーク機器・複合機・セキュリティソフト
日本の診療所に多いベンダー29社について、公式のセキュリティ勧告・サポート記事・リリースノートを探しました。公式の案内があったのは3社(Cisco・Fortinet・Sophos)です。「見当たらず」は「影響なし」の意味ではありません。
| ベンダー/製品 | 判定 | 日付 | 要点 | 一次資料 |
|---|---|---|---|---|
| Cisco(PSIRT、全製品) | 声明あり Informational・Interim | 10/23 | Secure Client(旧AnyConnect)・Meraki vMXは調査中。Meraki Dashboard・Secure Firewall ASA・FTDは影響あり・調査継続。FMCは手順あり。Duo DAG 3.2.0/DNG 3.4.1は修正版(証明書バンドルからemSign ECC Root CAとComodo AAAを削除)。本勧告に載っていない製品は影響なしと明記。悪用は未確認 | cisco-sa-emudhra-info-ScS22A1r |
| Cisco Talos(公式ブログ) | 声明あり | 10/21 | VPNはソフトウェア更新が必要になるとの見方を示し、プロキシ・ロードバランサ・VPNクライアント・ゲートウェイは個別に信頼ストアと失効の動作を確認せよと勧告。10/21 14:00 UTC時点で悪用の観測なし | Talos |
| Cisco Secure Firewall(FMC/FTD/ASA) | 声明あり | 10月 | FMC/FTDはCiscoサービス向けCAバンドルを日次で自動更新(7.0.5/7.1.0.3/7.2.4/7.3.0以降)。これはSSL復号用の信頼CAとは別。FTDのTLSポリシーでeMudhra発行者を遮断する暫定策 | TechZone |
| Fortinet FortiGate(Technical Tip。PSIRT勧告ではない) | 声明あり | 10/21 | FortiGateのFortiGuardへの接続は専用のCAリストを使うため影響なし。ただしSSL検査については別途対応が必要。SSL検査の信頼CAに emSign_ECC_Root_CA_-_G3 が Certificate Bundle 1.00064以下で残存し、手動削除は不可、set ssl-inspection-trusted disable で無効化。将来のバンドル更新で不要になる。AAA Certificate ServicesはFortiOSに未収録。FortiClientの記述なし。FortiGuard PSIRT一覧に該当なし | Fortinet Community |
| Sophos Firewall(公式コミュニティでのSophos幹部の回答。KBA・勧告なし) | 声明あり | 10/21〜22 | Firewallの更新でemSign ECC Root CA - G3とAAA Certificate Servicesを証明書ストアから削除する予定。当面はCertificates → Certificate authoritiesから手動削除。TLS検査のCRL失効は中間CAの失効を扱えないため、eMudhraのCRLでは遮断されない。Intercept Xの記述なし | Sophos Community |
| Palo Alto Networks | 記事あり(自社製品の影響の記述なし) | 10/22 | Unit 42の解説。棚卸し・再発行・失効チェック強化の勧め。PAN-OS/GlobalProtectの信頼ストアへの言及なし。security.paloaltonetworks.com に勧告なし | Unit 42 |
| Check Point/WatchGuard/Juniper/SonicWall | 見当たらず | — | 公式のsk・PSIRT一覧・サポート通知に該当なし | — |
| Yamaha(RTX/NVR)/NEC(IX/UNIVERGE)/Buffalo/IO-DATA | 見当たらず | — | 各社のセキュリティ情報ページに該当なし。Allied Telesisは公式サイト全体が停止中(PHPの注意喚起を受けた一時停止と表示)で確認不能 | — |
| Ricoh/Canon/Fujifilm Business Innovation/Konica Minolta/Kyocera/Sharp/Brother/Epson(複合機・プリンタ) | 見当たらず | — | 各社の脆弱性・セキュリティ情報一覧(日英)に該当なし | — |
| Synology/QNAP(NAS) | 見当たらず | — | security advisory一覧に該当なし | — |
| Trend Micro/ESET/Kaspersky/Norton(HTTPS検査を行うセキュリティソフト) | 見当たらず | — | 各社のアラート頁に該当なし。ESETのSSL/TLS検査は上流の検証にWindowsの信頼されたルート証明機関ストアを使うと製品ヘルプに記載(独自ストアではない)。他3社の検証ストアは未確認 | ESET help |
| McAfee | 記事あり(本文取得不能) | — | 消費者向けブログ記事の存在のみ確認(403で本文未取得)。製品声明の有無は不明 | — |
| Microsoft(Defender・Windows) | 見当たらず | — | Windows message center・Trusted Root Programのrelease notes・MSRC blogに該当なし | — |
FortiGateとSophos Firewallはいずれも、HTTPS検査に使う信頼CAの一覧にemSign ECC Root CA - G3が残っており、手動の対処が要ると説明しています。Sophosは、CRLによる失効確認では中間CAの失効を扱えないと述べています。機器が「自分自身の通信」(FortiGuard接続など)で影響を受けないことと、「検査する通信」で問題の証明書を信頼し続けることは別です。[10]
国内の公的機関・ベンダー・端末ソフト
公的機関・業界団体(10月24日 09:47時点)
| 機関 | 判定 | 要点 | 確認先 |
|---|---|---|---|
| JPCERT/CC(注意喚起・CyberNewsFlash・Weekly Report) | 見当たらず | 一覧 10/23更新。Weekly Report 10/21号(10/11〜17分)に項目なし。CyberNewsFlash最新 8/13 | 注意喚起一覧/Weekly Report |
| IPA(重要なセキュリティ情報) | 見当たらず | 最新 10/22(PHP)。10/21「Oracle Javaの脆弱性対策について(2026年10月)」はCritical Patch Updateの対象版と更新適用のみで、証明書・eMudhra・CVE-2026-91403の記述なし | 一覧/Java 10/21 |
| JVN/JVN iPedia/MyJVN | 見当たらず | 新着に該当なし。JVN iPediaとMyJVNは10/22からメンテナンスで停止、再開時期未定 | JVN/停止の案内 |
| NISC/警察庁サイバー警察局/デジタル庁/総務省 | 見当たらず | 注意喚起・新着に該当なし | NISC/警察庁 |
| 厚生労働省(医療分野のサイバーセキュリティ対策) | 見当たらず | 最新の注意喚起は令和8年5月 | 厚労省 |
| 医療情報基盤・診療報酬審査支払機構(旧 社会保険診療報酬支払基金。2026年10月1日改組)/国保中央会 | 見当たらず | お知らせ・オンライン請求システムに関するお知らせに該当なし | 審査支払機構/国保中央会 |
| JAHIS/日本医師会/日本医師会ORCA管理機構 | 見当たらず | 該当なし。ORCA管理機構は10/22にPHPの脆弱性の告知のみ | JAHIS/ORCA管理機構 |
| 医療ISAC | 取得不可 | サイトのTLS証明書が別ドメインのもので、HTTPでも無効なURLの表示 | — |
電子カルテ・レセコン・クリニック向けクラウド
| ベンダー | 判定 | 要点 | 確認先 |
|---|---|---|---|
| PHC(Medicom)/富士通Japan(HOPE)/NEC(MegaOak)/BML/Dynamics/CLINICS(メドレー)/エムスリーデジカル/ユヤマ/日本事務器/ヘンリー/Medical Care Station/日本医師会ORCA管理機構 | 見当たらず | 各社のお知らせ・ニュース・セキュリティ情報に本件の言及なし(Medical Care StationとORCA管理機構はPHPの告知のみ) | 各社公式サイト(10/24取得) |
| ラボテック/きりんカルテ | 取得不可 | サイト応答なし/HTTP 503 | — |
医療機関の端末に入る「ブラウザ以外でHTTPS接続するソフト」の公式記述
| ソフト | 信頼ストア・Javaに関する公式記述 | 一次資料 |
|---|---|---|
| オンライン請求システム(審査支払機構) | 再セットアップ方法(令和8年10月。改組に伴うドメイン変更で令和9年3月末までに再セットアップが必要)で「オラクル製Javaのインストール」の手順があるのは区分E「医療機関・薬局(Mac)」のみ。Windows(区分A〜C)・Linux(区分D)・事務代行者・保険者の区分にJavaの手順なし。TLSサーバ証明書の信頼ストアに関する記述なし(記載があるのは電子証明書による相手認証)[20] | 再セットアップ方法 |
| オンライン資格確認 資格確認端末 | 厚労省の要件(令和7年2月17日版): Windows 11 IoT Enterprise LTSC 2024/Windows 11 Enterprise LTSC 2024、Microsoft Edge(Chromium版)のプリインストールが望ましい、提供アプリは64bit。Java・証明書ストアの記述なし。医療機関等向け総合ポータルに本件の告知なし | 資格確認端末の要件 |
| 電子処方箋(厚労省ページ)/HPKI(日本医師会電子認証センター・MEDIS)/医療機関等ONS | Java・信頼ストアの記述なし。HPKIの最新のお知らせはAndroid端末の認証事象の解消(9月) | 電子処方箋/日医電子認証センター/MEDIS |
eMudhraは10月22日、世界向けのSSL/TLS証明書事業からの自主的な撤退を発表しました(G1 RSAルートは移行完了まで運用、影響顧客の証明書は提携先発行分へ無償置換、失効情報サービスは置換完了まで継続、根本原因の報告書をルートプログラムへ提出予定)。Googleは10月27日(PDT)にemSign ECC Root CA - G3をChrome Root Storeから削除し全デバイスへ配信予定、MozillaはNSS 3.131.1で同ルートを削除済み。Apple・Microsoftの公式ページは引き続き見当たりません。国内の被害報告・国内の注意喚起は見当たりません。[3][4][14]
保守事業者・IT担当者の確認手順
Cloudflareが自社の対応として説明している範囲(同梱や独自の信頼ストアを持つアプリは別に評価して更新する、更新には再読込・再起動・イメージ再配備を伴わせる、実際のTLSの経路で検証する)と、OpenJDK・Electron・確認サイトの案内から組み立てました。医療機関からの問い合わせ文例(注意喚起05章)の設問2〜4に対応します。[5][7][8][1]
- 経路の棚卸し。製品と管理端末で、外部とHTTPSで通信する処理を列挙する(サーバ、端末、コンテナ、外部API連携、自動更新、遠隔保守、クラウド連携)。
- 検証器の特定。各経路で証明書を検証しているのが誰かを突き止める。OSのストアか、言語ランタイムの同梱バンドルか、アプリ同梱のChromium/Electronか、独自の設定か。SDKを更新しても下層の検証ポリシーは変わらないことがある。[5]
- 更新。02〜04章の修正版へ更新する。OSのストアに依存するものはOSの更新(Windowsは
certutil -verifyctl Disallowed | findstr /i lastsynctimeで一覧の受信日時を確認)。Javaは修正版へ更新したうえで、Oracleの専用ページ(10/23更新)に従い、JVM再起動前にルート2本の削除か失効確認の有効化を行い、複数の単体Javaがあればそれぞれに行う。更新できない場合はOpenJDKが示す遮断リストの差し替えか失効確認の有効化。Oracleの CheckCerts.java で状態を確認できる。[6][7][11] - 反映。ファイルの更新だけで終わらせず、稼働中のプロセスの再起動、コンテナイメージの再構築と再配備、配布物の再配布まで行う。[5]
- 検証。その製品自身のTLSの経路で、確認サイトの検査用ホストへの接続が証明書エラーで失敗することを確かめる(確認サイトは、接続失敗は通信障害でも起こるので、失敗の理由まで見るよう案内している)。CT未記録の2系統(No CT)にも接続できないことを確かめる。CTを強制しないクライアントは、気づかれずに攻撃されうる側だと確認サイトは説明している。ブラウザでの成功はバックグラウンドのサービスの安全を証明せず、curlでの成功も検証器が異なれば同じ。[1][5]
- 無効化しない。更新後に証明書エラーが出ても、検証を無効にして解消しない。[5]
- 10月27日以降。ChromeがemSign ECC Root CA - G3をルートストアから削除する。自社サービスのサーバ証明書がこのルート配下なら、別系統の証明書に差し替える。[3]
- 回答。医療機関には「調べた範囲」「反映の完了(版と日付)」「製品自身での確認」の3点を書いて返す。
当社の対応
当社の公開サイト(www.jmedic.co.jp)の証明書は、本件の認証局が発行したものではありません。本資料は、当社が2026年10月24日に各社の公式情報を照合した記録であり、各医療機関の端末や業務システムの構成を当社が把握しているものではありません。保守事業者とIT担当者の皆さまは、本資料を出発点として、自身の管理範囲で一次資料を確かめてください。
当社保守のお客様は、お問い合わせフォームからご相談ください。保守契約のない医療機関の皆さまからの個別のお問い合わせは受けかねますが、公開できる情報は本資料や注意喚起で発信していきます。
出典と、確認できていないこと
本文の番号つき出典は以下のとおりです。各表の中のリンクは、そのベンダー・プロジェクトの公式ページで、すべて2026年10月24日に取得しました。発表主体自身の説明は、独立した第三者による事実認定とは区別しています。
- eMudhra Intermediate CA Compromise(確認サイト)Dennis Jackson氏(Mozilla)が公開。問題の中間CA 8本とクロス署名8本の一覧(impacted-intermediates.json)、ブラウザ検査、ブラウザ以外の検査手順、修正済みソフトの一覧(Who has patched?)。
- 同 接続統計(user-agent別)まだ問題の証明書を信じているクライアントの接続回数。
- Google Security Blog(2026-10-20)CRLSetによる遮断(10/17 19:45 UTC)、Androidへの配信、emSign ECC Root CA - G3の10/27(PDT)削除予定。
- Mozilla Security Blog(2026-10-20)OneCRL配信(10/17 22:59 UTC)、NSS 3.131.1でのルート削除、Firefox 158.0.1/ESR、Android 158.0.2。
- Cloudflare Blog(2026-10-20)自社の対応範囲(同梱・独自の信頼ストアは別評価、再読込・再起動・再配備、実際のTLS経路での検証)、開発者向け指針(SDKの下層を見る、検証を無効化しない、ブラウザやcurlの成功は代わりにならない)。
- Oracle Security Alert Advisory CVE-2026-91403(2026-10-21)対象版、最新版への更新か緩和策(Rev 1)。専用ページ ops.java/emudhra(10-23更新)は、修正版に更新済みでもJVM再起動前にルート2本の削除か失効確認の有効化を求め、CheckCerts.java を提供。
- OpenJDK Vulnerability Advisory 2026/10/21単体ランタイムは更新、blocked.certsの差し替えか失効確認の有効化、OS同梱のOpenJDKはOSの証明書で足りる。
- Electron Security Advisory GHSA-jr5w-w6x2-84p9(2026-10-22)ChromiumネットワークとNode.jsのtls/https/fetchの両方に遮断。アプリ側の回避策なし。修正版44.9.1/43.8.1/42.11.16/45.0.0-beta.6。
- Cisco Security Advisory(Informational)cisco-sa-emudhra-info-ScS22A1r(2026-10-23)調査中・影響あり・修正版の製品一覧。未掲載製品は影響なし。
- Fortinet Community Technical Tip(2026-10-21)FortiGuardへの接続は専用のCA一覧のため影響なし。SSL検査の信頼CAの残存と無効化手順。
- Microsoft Learn:Configure trusted roots and disallowed certificates in Windows信頼しない証明書の一覧の自動更新の仕組み、切断環境、certutilでの確認。
- Microsoft:KB2677070Windows 7・Server 2008 R2等向けの「信頼しない証明書の自動更新」。切断環境には効果なし。
- Mozilla dev-security-policy:Compromised eMudhra Intermediate Certificates(2026-10-20)信頼ストア運営者向けの指針(中間CAの遮断か、署名元ルートの削除)。
- eMudhra Press Release(2026-10-22)世界向けSSL/TLS証明書事業からの撤退。発行元自身の発表。
- Python 公式告知(Discourse、2026-10-20)certifiとpipの更新、すべての既存の仮想環境でpipを更新。
- pip 公式文書:HTTPS Certificates既定でcertifiに加えてシステム証明書を使う。
- Node.js 公式文書:--use-system-ca同梱CAストアはリリース時点のMozillaストアのスナップショットで全プラットフォーム同一。
- Go 公式文書:crypto/x509macOS・WindowsではシステムAPIが証明書検証を担う。
- .NET 公式文書:Cross-platform cryptographyWindowsはWindows証明書ストアとその検証機構、LinuxはOpenSSLのCAバンドル、macOSはSecTrustSettings。
- 医療情報基盤・診療報酬審査支払機構:オンライン請求システム再セットアップ方法(令和8年10月)Mac区分のみOracle製Javaのインストール手順。
確認できていないこと
- AppleとMicrosoftの公式発表(遮断日は確認サイトの記載による)。
- Windows 10のEdgeが10月20日以降に遮断されたかどうか。Edge WebView2がどの信頼ストアを使うか(公式記述なし)。
- サポート終了のWindowsに「信頼しない証明書の一覧」が現在も届くか(公式記述なし)。
- Zoom・Teams・Slack・Chatwork・Discord・Notion・LINE WORKS・LINE・Opera・Arcと、クラウドストレージ・リモート操作ツール各社の公式声明。
- Java配布元のうちEclipse TemurinとMicrosoft Build of OpenJDKの対応表明。.NETランタイムの公式見解。
- 国内のルータ各社・複合機各社・NAS各社・セキュリティソフト各社の公式声明(ESETを除き検証ストアの種類も未確認)。Check Point・WatchGuard・Juniper・SonicWall・Palo Alto(自社製品の影響)の公式勧告。
- 国内の電子カルテ・レセコン等12社の公式告知での言及。ラボテック・きりんカルテ・医療ISACは取得不可。
- 医療機関特有の業務ソフトが同梱するランタイムとその更新状況(一次資料なし)。
本資料は、各社の公式情報を2026年10月24日に照合して作成した、保守事業者・IT担当者向けの付属資料です。照合は生成AIのサブエージェント4体(言語ランタイム/デスクトップアプリ/ネットワーク機器等/国内)で行い、一次資料のURLと日付を記録し、公開前の内容確認は当社が行いました。X・生成AIの出力・まとめ記事は証拠にしていません。攻撃の再現や第三者システムへの検証は実施していません。公開後に追加で分かったことは、日付を付けて追記します。10月24日の公開後の見直しで、Python標準 ssl の扱い(OSのストアから証明書を読み込むことと、OSの検証機構を使うことの区別)、サマリーの日付表記、日付の基準、出典10の表現を修正しました。