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1 / 11大阪府保険医協会 眼科部会 医療DX学習会
2026年8月29日(土)14:30〜15:30

医療DXなんて怖くない‼

紙カルテの医療機関へ朗報

株式会社ジェイ・メディック 代表取締役 酒井 陽一郎

会場:M&Dホール/ウェブ参加  主催:大阪府保険医協会 眼科部会

2 / 11① 導入0〜3分

電子カルテを
買うかどうか、ではなく、
共有基盤にどうつながるか。

今日は電子カルテを売るための話ではありません。紙カルテの先生に、来月から診療を全部変えてください、と言う話でもありません。
国が進める情報共有基盤に、現場がどう無理なくつながるかを考えます。

3 / 11② 国が目指す医療DX3〜8分

国が進めている中心施策は、
必要な医療情報を共有できる全国的な基盤づくりです。

全国医療情報プラットフォーム

電子カルテ情報共有サービス

三文書・六情報を、医療機関等の間で共有するための仕組み

電子処方箋

処方・調剤の情報を、医療機関と薬局の間で共有する

そのほかの仕組み

プラットフォームは複数の仕組みで構成される

電子カルテ情報共有サービスは、その全国医療情報プラットフォームを構成する仕組みの一つです。

4 / 11③ 2030年目標の読み方8〜13分

電子カルテは、家電製品のように
買って置けば終わるものではありません。

2030年に向けた政策目標

単に電子カルテ端末をすべての医療機関へ置くことではなく、概ねすべての医療機関で必要な患者情報を共有できる電子化環境を整える方向として示されています。
なお、あくまで普及目標としての位置づけとされています。

標準型電子カルテ(導入版)

厚生労働省が開発を進めているもので、紙カルテや現行の電子カルテ業務を残しながら、国の医療DXサービスへの対応を可能にする、という考え方を掲げています。

直近の報道その標準仕様「ver.1」が来月=2026年9月に公表予定。認証を受けた製品は2027年4月からの供給を目指す(医科診療所・中小病院向け)と報じられています。出典:GemMed 2026年6月29日の報道(厚労省・医療等情報利活用WGの議論)※一次情報ではなく報道ベース

だから、こう考える 「何台置いたか」ではなく、「必要な情報を共有できる状態になったか」。 診療の流れ、検査機器、職員の動き、費用まで含めて、電子カルテは初めて動きます。 出典:厚生労働省
5 / 11③ 2030年目標の読み方 ― 眼科の現実

眼科では、電子カルテ導入が
高額かつ大規模な業務変更になりやすい事情があります。

1

高額な導入費

1,000万円を超えることが多い。内訳は本体だけでなく、画像管理・機器接続・データ移行まで含めた総額であることが多い

2

検査機器との接続

OCT・眼底カメラ・視野計。「一式」に紛れやすいが、接続そのものが独立した作業であり費用が生じる

3

画像・検査結果の扱い

数値・二次元画像・三次元データが並行して出る。容量も、表示も、保存の要件も別々

4

診療導線

検査室と診察室が分かれ、複数の検査が並行して進む。表示待ちや手入力の差が、そのまま1日の差になる

5

職員教育

運用が変われば、受付から検査、診察、会計まで全員の手順が変わる

だから「高額な電子カルテを買うか、何もしないか」の二択に見えてしまう。
――ここから先は、その二択にしないための話です。
6 / 11④ 電子処方箋という天秤13〜19分

メリットは薬局に、手間は医療機関に先に届く。

紙処方箋の転記入力の削減 重複投薬・併用禁忌チェック 疑義照会や在庫管理の効率化 薬局 直接届きやすい価値 標準用法マスターの整備 電子署名の運用 システム改修・保守費 患者説明とトラブル一次対応 医療機関 先に届く負荷 判断の焦点 どの手間を、いつ、誰が 負担するか 電子処方箋、現場のリアル 講師が“第一号患者”になってみた体験記 → クリック/QRで読めます(note・無料公開)
導入の目的には賛同できても、どの手間を、いつ、誰が負担するかを決めずに始めると、窓口や患者にしわ寄せが出ます。
7 / 11⑤ 電子カルテ情報共有という天秤19〜24分

今度は、使う側と作る側。両方の皿とも、医療機関です。

他院の検査・処方の閲覧 救急時の既往・薬剤確認 紹介状・サマリーの電子受取 使う側(閲覧する医療機関) 閲覧中心であれば、作成・登録の仕組みを 直ちに全面整備しなくても価値を得られる場面がある 三文書・六情報の作成・入力 システム改修・保守 職員教育 返書等を含む運用フローの整理 作る側(登録する医療機関) 作成・登録の負荷が届く 両方の皿とも、医療機関。 いつ「使う側」から 「作る側」へ回るのか
同じ医療機関が、いつ「使う側」から「作る側」へ回るのか。診療報酬上の評価や普及施策も踏まえつつ、自院の費用・人員・運用との釣り合いで決めます。
8 / 11⑥ 紙カルテからつながる方法24〜28分

紙カルテの診療を直ちに全面変更するのではなく、
既存の資産を利用しながら、足りない部分を補う。

1

現在の診療

紙カルテ、眼科検査機器、既存の診療・受付運用を継続

▶
2

既存レセコン

Iji/アルファ、ORCA 等に登録済みの患者・保険・病名・処方等、利用可能な情報を確認

▶
3

医療DXツール

レセコンから取得可能な情報を取り込み、必要となる形へ整理

▶
4

不足情報の補完

レセコンに存在しない情報、共有に必要な文書・項目等を医療機関側で入力・確認

▶
5

共有基盤へ接続

電子処方箋の発行、電子カルテ情報共有サービスへの送信・受信

正直に申し上げます 紙カルテを残す以上、診療情報のすべてが自動で連携されるわけではなく、二重入力や確認作業が一定程度残る可能性があります。 その量は、既存レセコンに保持されているデータ、製品の対応範囲、院内の運用設計によって変わります。
9 / 11⑦ まとめ・質疑28〜30分

自院で確認する、四点。

1

目的

何のためにつなぐのか。制度への対応か、診療の中で使いたい情報があるのか

2

得たい価値

閲覧して得たいのか、送受信までしたいのか、作成・登録まで回るのか

3

必要な作業

誰が、どの入力を、いつ行うのか。職員教育と運用変更まで含めて数える

4

継続費用

初期費用だけでなく、改修費・保守費が毎年いくら続くのか

制度上の評価だけでなく、自院の入力負担、改修費、保守費、職員教育まで含めて判断する。 この四点が並べば、いま導入するか、順番を変えるかを、自院の判断として決められます。
10 / 11⑦ まとめ・質疑

医療DXを、「高額な電子カルテを買うか、何もしないか」の
二択にしない。

入り口は、一つではありません

高額な電子カルテを導入することだけが唯一の入り口ではありません。一方で、紙カルテのまま何もしなくても自然につながるわけでもありません。

実際に、そうしている医療機関があります

実際に紙カルテを継続しながら医療DXツールを活用している医療機関があります。
ただし、すべての医療機関で同じ効果が出ることを保証するものではありません。

そして、もう一つ。国の医療DX推進とともに、診療報酬への向き合い方そのものが変わります。

これまで ── 新しい算定項目が出たら
「どのように取るか?」
▶
これから ── ROI(投資対効果)・KPI(効果を測る物差し)で
「算定するか、しないか?」

取れるか、ではなく、見合うか。その物差しが、さきほどの「自院で確認する四点」(目的・得たい価値・必要な作業・継続費用)です。

無料ツール

ベアそろばん ― ベースアップ評価料(I) 損益シミュレーター「算定する/しない」の損得を年額で値踏みできます ─ クリック/QRで開けます

今後、このように「算定するか、しないか」を判断するための無料ツールを公開していきます。

11 / 11⑦ まとめ・質疑

目的に賛成することと、
今すぐ同じ方法で導入することは
同義ではありません。

自院の費用、人員、運用に合った順番を決めることが、医療DXへの現実的な対応です。
―― 電子カルテを買うかどうか、ではなく、共有基盤にどうつながるか。

ご質問を、どうぞ。
2026-08-29 大阪府保険医協会 眼科部会 医療DX学習会|株式会社ジェイ・メディック 酒井 陽一郎